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ビジョン

花の美しさはいつの世も人の心をうつものであることには、変わりありません。自分のお気に入りの花を数本買って、庭から摘んで部屋に飾り、豊かな気持ちになるためのアイテムとして、欠かせない存在でしょう。私も、その柔らかな優しさに包まれたくて、花を活けました。
ところが、最近、花に対する見方に大きな変化がありました。
ボタニカルアートとの出会いです。
 
ボタニカルアート(科学的な植物細密画)―15〜17世紀の大航海時代に端を発し、100年も200年も前に生きていた先人たちの、植物にむかう情熱が生み出した結晶のような作品には、私が、これまでに味わったことのない花の魅力を静かに語っていたのです。その美しさは、色彩、構図をこえた、崇高なものでした。
この1枚を描くのにどんな物語があるのでしょうか。時空をこえた花物語をわずか25×40センチの画用紙に描かれた絵が、私に語りかけてきたのです。
 
未知の国に長い船旅を経てたどり着き、見たことのない花々に出会ったとき、どれほどの感動があったことでしょうか。植物学者が、無心に咲いている花の花弁、茎、葉、葉脈を見つめ、画家が、繊細な筆使いで丹念に描く、その姿が、目に浮かぶようです。
 
花の魅力は、その造形、色彩、香りだけではありません。花=植物はいつも静寂さを保ち、成すがままの姿でありながら、私たちに、深いプラスアルファーの生きる節理を示していたのです。
この「いのちの不思議さと植物の神秘」―このことを表現する店を作りたい、いつしか、そう思うようになったのです。